システム構築・保守案件で見積もり後の○○をフォローして受注率が上がった事例をご紹介

本論の前に、まずはなぜ新規営業をしたのかお話させてください。

今から10年ほど前、僕は約800万円の借金を背負いました。毎月の返済金利だけでも結構な額になり、普通のサラリーマンの給料では返済が難しいので背水の陣で独立を決意!

気合を入れて独立したのはいいけれど、それまで営業の経験もなく、パソコンショップの店員だった僕は失敗の連続……。新規開拓先に見積りを提出してもなかなか成約までいかず、ずっと悩んでいました。「値段は安い、相手が構築したいことは実現できる、でもなんで受注できないんだ・・・・?」と。

そこで自分なりに失敗を分析し、行動パターンを変えたところ受注率が大幅にアップしたので、その方法を皆さんにも知ってもらおうと思い、この記事を書いています。 “システム構築・保守案件で見積もり後の○○をフォローして受注率が上がった事例をご紹介” の続きを読む

ハード、ソフトウエア、ホームページの単体保守は過去のもの
保守費用相場にとらわれてはいけない理由

■ハードウェアメーカーが闊歩していた時代

私がIT業界に入ったのはWindows95が登場した頃です。新OSの登場に世間全体が浮き足立っていました。Webが世の中に浸透しだしたのもこの頃です。たいへんエキサイティングな時代でした。

当時、まだビジネスの世界ではワークステーションが幅を利かせ、サン・マイクロシステムズ、デジタルイクイップメント、シリコングラフィックスといったメーカー達が覇を競いあっていました。それらの会社は今はもうありません。

高額なワークステーションとそれを基盤とする多くのパッケージソフトウェアは淘汰されてしまいました。祇園精舎の鐘の声ですね。高額ゆえに保守料も大変高いものでした。やがてダウンサイジングの波に飲まれハードウェアの巨人達はまるで恐竜が絶滅したように忽然と姿を消してしまったのです。

■ソフトウェア保守料も常識だった

あの当時の革新的なソフトウェアパッケージはワークステーションをプラットフォームとしていました。その開発原資を稼ぎだしていたのは保守料だったのです。
ハードウェアもソフトウェアも保守料の月額相場は販売価格の10~15%。販売価格自体が数百万円ですから如何に保守料が収益の大きなウェイトを占めていたかお判りいただけることでしょう。

常に一定額入ってくる保守料は安定的なソフトウェア開発資金になります。保守料で開発されたソフトウェアはバージョンアップとして新機能が保守契約者に提供されていました。

これにより高機能のCADやCGなどが開発され高度な工業製品が作られたり、3次元のゲームメーカーが勃興したりしたわけです。
ある意味保守料が社会基盤になっていたと言っても過言ではないのです。

■クラウドの時代と保守

オンプレミスの時代は保守は必要不可欠でした。何故ならハードウェアは常に顧客のもとにあり、様々な運用環境で様々なOSのバージョンや様々な用途のアプリケーションが稼働していたのです。
企業は多くのカスタマーエンジニアを抱え、サポートを通じて顧客との密な関係を構築してゆきました。

やがてクラウドの時代を迎えます。
多くのアプリケーションはノートパソコンやタブレット、スマートフォンがあればネット接続で使える時代です。
それらの多くは無償で提供され広告によって維持されるようになります。
必然的に広告で収益を上げられるだけのパイを持つ一部の巨大企業に集約されてゆくことになります。従来型の保守という概念が入り込む隙が無いスキームが構築されてゆきます。

■新たな保守の形態

オンプレミスからクラウドへ移行したらある意味ウェブ上での振る舞いはユーザーの自己責任に委ねられるシーンが増えてきたと言えるでしょう。私達は巨大企業と個人単位で対峙しなければならなくなったのです。
ホームページの更新は勿論のこと、セキュリティ確保や細かいオペレーションに至るまで多くのことをユーザー自ら判断しなければならなくなったのです。

クラウドにおけるテクノロジーはどんどん進化してゆくのにユーザー側がついて行けなくなるシーンが増えてきました。そんな状況を第三者的な目線でフォローするサポート体制が求められるようになっています。

例えばホームページ制作ひとつとってもどのCMSを使いどのようにSEO対策を組んでゆけば良いのか、更新はどのような頻度でどこに気をつけてやってゆけば良いのか、適切なアドバイスができるメンターが必要になってきています。
そうでなければ日々押し寄せる情報の大河に呑み込まれてしまうのです。

■ITメンターとしての保守契約

かつてハードウェア、ソフトウエアごとに個別で締結されてきた保守契約は役目を終えました。その一方でシステム全体を俯瞰するITメンターとしての役割が求められています。複数のクラウドサービスを横串にして、最適な運用をアドバイスするだけでなく、日々のデータエントリーを含む運用そのものを担う役割のアウトソーシングサービスです。

もはや保守の枠組みを超えてコンサルティングの領域に入ってきているのですが、それはIT部門だけが対象ではなく実務に直結するものへと広がりを見せています。ITに関する知識不足をカバーするだけでなく、社内のITシステム全般のオペレーションをアウトソーシングする、つまり情報システム部を社外に持つような形態が今後増えてくるものと思われます。

有事の保険としての保守というよりは、業務委託して自立的に動いてくれるITパートナーです。業務委託ですから顧客は事細かな指示を出す必要はありません。日々の運用、SEO、セキュリティといった面倒な問題を黙っていても解決してくれるパートナーです。

■役割の増大にあたって適正な費用を

ここまで来ると保守というよりは業務委託の一形態になりますので実際にかかる工数とノウハウの提供に対して費用が発生することになります。月の拘束時間+技術料で難易度によって金額が変わってきます。

一般的には人日計算を根拠に費用が決まってゆくことでしょう。
単価は請け負う仕事の内容次第、請け負うエンジニアの能力次第ということになります。
例えば人月単価が60万のエンジニアであれば月の三分の一の拘束で20万といった単純な計算が成り立ちます。

それでも考えてみてください。
社内に専門のエンジニアを雇用するよりは断然安上がりになるのです。
人を育てる期間や費用もかかりません。ITはプロに任せて本来の業務に邁進することはビジネスの効率を高める一つの戦略に成り得るのです。

■パートナーの選定基準

もともと保守という言葉はシステムトラブル時の保険のようなイメージですが、ここまでで述べてきたようにオンプレミスのウェイトは低下して、サーバは仮想サーバ、アプリはオープンソース、場合によってサービス全体が外部のクラウドをプラットフォームとするケースが増えてきました。

トラブル時の保守要員というよりはITシステム全般を俯瞰できるコンサルタントという位置付けになるため、請ける側も受け入れる側もつまりはパートナーとしての関係性を意識すべきでしょう。つまり請ける側は顧客の立場に立ってアドバイスや提案を迅速に行える能力が求められ、受け入れる側は単なる作業員としてではなく、ITメンターとして聞く耳を持つことが求められます。

顧客の役に立つことで対価を得る仕事ですから提供するノウハウや信頼の重さに応じて単価もアップしてゆく余地はあるでしょう。要はパートナーとして必要不可欠か否かが重要で、業務効率化で目に見える形で運用コストの圧縮がはかれれば、そこで単価アップも自信をもって要求できますし、また受け入れる側もそうした視点で金額は柔軟に考えるべきでしょう。結局保守費用を相場で考えること自体がナンセンスでサービスへの対価に応じて決まるのです。